ドナー登録のきっかけは?
知り合いのご子息が白血病に罹ってしまい助けてあげたいと思いました。 医療の進歩・発展は全て患者さんの苦しみを取り除くことが原点です。医療従事者がドナー登録をするのは当然とは思います。
適合通知が来たときはどう思いましたか?
登録後、わりとすぐに適合しました。2年は経っていなかったと記憶しています。 まずはうれしかったですが、なかなかHLAは合わないと聞いていたので、そんなことがあるのかという思いもありました。
ご家族の反応はどうでしたか?
妻は不安に思っていたようですが、私がやると言い出したら止めても聞かない性格をよく知っていたため、積極的な反対はしませんでした。
周囲の反応はどうでしたか?
提供後、ずいぶんたってから親しい人にのみ話をしました。 「へぇー立派だなあ」程度の反応が多かった気がします。
提供が決まってから、特に気をつけたことはありますか?
何もせず、変わったことをしたりはしませんでした。 ただ、海外出張が入りましたが、それはとりやめることにしました。
コーディネート中に印象に残ったことは?
担当の医師がとても良い方だったので、安心してコーディネートを受けることができました。最終同意の時に、弁護士さんが出てきたので、かえって「これから拒否したら訴えられて、賠償金とか払うのだろうか?」などと考えてしまいました(笑)。
入院中のエピソードをお聞かせください
入院は初めての経験でした。手術が心配というより、心霊写真などに非常に興味があり、病院が怖かったです。夜には幽霊が出るのではないかと本気で不安になりました。
採取前は、全く緊張せず、手術室に入る間際まであまり実感は湧きませんでした。 そのことより看護師さんに導尿をされることが恥ずかしく、気になっていました。骨髄提供は絶好の話のネタなので、少しでも眠らずにいろいろ観察してやろうと考えていましたが、もちろん、気づいたら終わっていました。
採取後の痛みはどうでしたか?
1週間位は立ち上がるのも大変で2カ月くらい腰が痛かったです。普通の人よりも長かったようで想定外でした。
患者さんについてはどう思いましたか?
痛い思いをしてプレゼントをしたのだから、元気になってくれよ!というのが本音でした。「頑張れ僕の骨髄、頑張れ患者さん」と、自分の骨髄が早く患者さんに生着することを祈る毎日でした。一致する確率が低いHLAが合い、子供よりも免疫系が近いと思うと、患者さんが自分の分身のように思えます。
提供した患者さんへ「第二の人生を楽しんでいますか?時間を大切にして生きる喜びを感じて充実した日々を過ごしていると信じています。私の分身がいるようで不思議な気分です。私譲りのスギ花粉症になっているかもしれません。許してください」
ドナー登録を考えている方へ、体験者としてのメッセージを
学校や仕事、家庭の都合もあり、痛みも伴うことなので、周りの方へ無理にドナー登録はおすすめしません。 ただ、私の経験では、骨髄提供の満足感は時間が経った今でもとても大きく、患者さんからのお手紙には涙する程感動しました。提供をして本当に良かったと思っています。人の命を救えるということは普通の生活ではまずありえないことですから。
2回目の提供の機会があったらどうしますか?
ぜひ、提供したいです!